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〇与条件とデザインボキャブラリーの選択
江戸時代から続く「鰻 大和田」のひとつが柏駅前にある。新築のワンルームマンションの1階に入ることとなった。 交通の激しい国道沿いに位置しているため、まず客席部分の居住性を確保するバッファーゾーンの必要性が感じられた。 次に、ワンルームマンション1階部分の煩雑な形態を取りまとめる設えが必要と思われた。 更に、当然のことながら、飲食店舗として存在感のある表現が求められた。そして、 オーナーからキーワード「オーソドックスだけど新しい!」が与えられた。これらの条件を踏まえ「格子」で店舗全体を覆うこととした。
〇格子の構成について
店舗全体を竪格子のみで構成すると、空間が単調となり、また、和風の印象が強くなり過ぎることから、竪格子と横格子を併せて 用いることとした。また、竪格子は同じ横格子に較べ遮蔽性を強く感じることから、国道沿いに竪格子、側道沿いに横格子を配した。 更に、店舗内部も格子で構成するものとし、スケール感に対応した細かな格子で竪・横を外部に合わせて配置した。 「格子の重層」を空間表現のベースと設定した。 また、内部格子の一部を可動とし、自由度の高い客席レイアウトを可能とした。テーブル脚部も格子の表現とし、空間構成に積極的に参加した。