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この建物は首都圏のベットタウン、駅近くにあるインフォメーションセンターである。 観光案内やイベントの企画・運営等を通して、街の活性化を目指す施設として計画された。
敷地は駅から続くプロムナードと市道の角に位置する。 心地よいプロムナードに対しては展示室を大きく解放し、行き交う人々にも展示内容を訴えることとした。 また、プロムナードが突き当たる市道は商店街の煩雑な街並みである。 形態や色彩による無秩序な自己主張が氾濫している中で、むしろ寡黙であることにより、その存在を強く主張できると考えた。 それぞれの街並みに対応した全く異なる表情を持つこととなった。
展示室では日常的にパネルやモニターによる展示・パンフレットの配布等を行っているが、この施設自身でイベントを行えるように、 プロムナードに対し、サッシを全解放できるようにした。展示室をステージに、プロムナードを客席に見立て様々なイベントが催せるよう計画した。
この建物の主要構造は鉄骨フレーム構造であるが、市道側の寡黙な表現を石貼りとしたことを契機に、その壁と更にそれに平行なピクトグラム「i」のある壁をRC造の耐力壁とした。更に、それらに直行方向の架構は鉄骨ブレースを付けることにより、それぞれ違う形式で水平力を分担した。
この施設が街を訪れる人々や市民に親しまれ、街が一層活性化することを願ってる。