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〇テーマ設定と手法
国道部分の拡幅に伴う事務所併用住宅の建て替えである。 1階はオーナーの事務所と駐車場、2・3階が住居である。 北側を走る国道以外、三方向を隣地に囲まれた近隣商業地域の狭小敷地であるため、各居室に対し採光・眺望をどう確保するかがテーマとなった。
まず、北側の国道に面し大きな開口部を配し、バッファーゾーンとしての階段を通して、2階居室への柔らかい採光と眺望を求めた。 北側に大きな開口部をつくる手法はしばしばアトリエなどに用いられ、柔らかい光は室内に眩しさ・高温・陰をつくらず、実はとても居心地が良い。 次に、3階は南側バルコニーで外部空間を取り込み、そこから居室への採光を確保した。 現在、敷地の南・西側はカーディーラーの駐車場となっているが、将来に渡り居住性が確保されている。
〇居室と国道の関係
2階リビング・ダイニングはバッファーゾーンとしての階段を挟んで北側国道に開放されている。 2階寝室は階段と更に障子を挟んで国道に面し、3階寝室は国道に背を向けている。 各居室のプライバシーの求められ方に合わせて国道との関係を規定している。 家の中のパブリックゾーンは階段を挟んで街に開放されているが、実際は外部からの視線をロールスクリーンでコントロールしている。