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#134 ブリジッド・バルドーが日光浴した屋上

2023.06.11

マラパルテ邸:イタリアの合理主義建築家アダルベルト・リベラが1937年頃に設計。またクライアントのマラパルテはリベラの案に自身で手を加えたともされる。

建築を設計する者にとって、実際の建築を観ること、空間を体験することはとても重要です。そのときしばしば写真を撮って自分なりに記録します。学生時代から、デジカメを使い始めた20年程前までに撮りためたスライド(35mmマウント付きポジフィルム)が数えてみたら1万枚ほどありました。スライドは数十年も経過すると変色するので、スキャンしてデジタル化を迫られていました。

業者さんにスライドをデジタル化してもらうに当たり、改めて整理し直しました。その時々に見学した建築を思い出しました。プロに比べれば下手な写真ですが、それでも素人なりにより良い写真を残そうと、美しい構図を探し歩き回ることが、建築をしっかり観ることに繋がった気がしています。

上掲写真はその中の1枚、イタリアのカプリ島にある「マラパルテ邸」です。岬全体が私有地のため立ち入れず、公道からは良く見えないので、カメラを担いで崖伝いによじ登りながらベストポジションを探しました。そんな訳で、この写真は命懸けで撮りました。また、「マラパルテ邸」はイタリア映画「軽蔑」の舞台となりました。ビデオで内部空間を観ることが出来ましたが、屋上でブリジット・バルドーが日光浴する大胆な姿が印象的です。

ここ20年余りは写真が全てデジタルなので、撮影も保存もとても楽になりました。でも以前のような「写真の有り難み」が薄れたようで、少し残念な気がしています。

スライド(35mmマウント付きポジフィルム)はこのように保管していましたが・・・

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