#126 古建築にも、やはりハヤリあり-三仏寺 投入堂-
2022.12.01
私が学生の頃、最も優れた日本の古典建築は何が何でも「桂離宮」でした。今から思えば昭和の大修理の頃だったからだと思います。桂離宮は戦前にドイツ人建築家ブルーノ・タウトから高く評価されて以来、永くこの評価が日本に定着した感があります。
ここに来て、少し様相が変わってきたかも知れません。私も学生時代から少しは知っていましたが、とある有名建築家が雑誌で上掲のお堂を紹介して以来、メディアの注目度が上がったようです。「三仏寺 投入堂(さんぶつじ なげいれどう)」です。激しく切り立った崖の窪んだところに建っています。このお寺は修験道の山で、とても険しい場所にあり、役行者(えんのぎょうじゃ)が法力で岩屋に投げ入れて出来たという言い伝えから「投入堂」と呼ばれるようになったそうです。
どうやって建てたのだろう?と考えてしまいます。材料を運ぶのも難しい場所で、更に自然の岩のレベルに合わせ、現場合わせで柱・梁を施工したのだろうか?・・・とか、想像は膨らみます。また、柱に取り付けられた斜材は工事中の仮設のようにも見えます。
昨今、セルフビルドの建物が再評価される中で、アドリブの様に軽やかに見えるこのお堂が、時代にシンクロしているということかも知れませんね。
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千葉・柏の住宅設計事務所 古里設計
(建築家 古里正)
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