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#097 自宅を建てようとお考えのあなたへ vol.9 収納について

2021.01.12

 

町家などで見られた「箱階段」。収納と階段を兼ねています。

今回は収納について考えてみましょう。

人の持っているモノ(例えば、服や食器・本など)の量は何で決まるか、考えたことがありますか? 答えは・・・収納量(クロゼットや食器棚・本棚などの容積)です。中がガラガラのクロゼットや押し入れなんて滅多に見られません。つまり、人は収納が一杯になるまでモノをため込んでしまう習性があるようです。ブログ「#014 モノのない快適 -私の好きな一冊の写真集-」でもお伝えしたとおり、特に日本人はモノをため込みます。「愛着のあるモノを処分するとき、『ありがとう』と言ってから捨てよう!」と聞きますが、これはモノを捨てるときに感じる後ろめたさを紛らわせているのだと思います。「何を捨てて、どれを残すか?」と言う判断は詰まるところ、ヒト・コト・モノの関係を自分なりに決着させることです。

残すモノを決めたら、次にモノを使用頻度に合わせ、例えば、滅多に使わないモノは押し入れの天袋、いつも使うモノなどは棚の上などに置いておく(仕舞う必要はない)のようにいくつかに区分して考えてゆきます。

クライアントの奥様からはよく「できるだけ広い収納・納戸」を求められますが、必要以上の広さは、取りあえず置いておくのには楽ですが、「ヒト・コト・モノ」の関係を自分なりに考える機会を失い、「どこに仕舞ったのか分からない!」「取り出すだけでも大変!」のようになってしまいます。

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千葉・柏の住宅設計事務所 古里設計
(建築家 古里正)
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