#068 「素材」について(その2)
2018.05.16
#003「素材」について でお伝えしたウッドリムのロードレーサーが完成しました。 20年ほど前に偶然入手したウッドリム(昔の競技自転車用木製ホイール)に合わせ、ヴィンテージ部品(製造中止からすでに30~40年ほど経っている)をここ数年で揃えました。 更に、#026 私はそれを「ベンチャーズ現象」と呼ぶ でお知らせした東叡社にオーダーし、やっとのことで完成しました。
高校の頃に文献を読んで初めて知った「ウッドリム」ですが、実際に乗ってみると、今まで体験したことのない独特な乗り心地です。 一般的に自転車で早く走るにはタイヤの空気圧を上げるのですが、そうすると路面の凹凸を拾い、乗り心地が悪く、結果的に早く走れません。 しかし、ウッドリムの場合はタイヤの空気圧を上げても、路面からの振動を柔らかいウッドリムが吸収し、乗り心地良く・早く走れます。 また、コーナリングではホイール自身がたわんで路面をグリップし、鋭いライン取りが可能です。
ウッドリムの乗り心地は現在主流になっているアルミやカーボンとは全く別次元です。 強いて弱点をあげれば、やはりメンテナンスが頻繁に必要なことでしょうか。 まぁ、ホイールの狂いを直したり、雨の後で乾かしたりと、それらもウッドリムに愛着を増すための作業と言えるでしょう。
建物を設計していて、クライアントからメンテナンスフリーを求められることがたまにあります。 しかし、手入れの要らない建物はありません。 建物の各部分はそれに応じたメンテナンス周期があります。 手入れすることを通して、建物とクライアントが会話するかのような、そういった余裕ってとても素敵だと思うのですが・・・
言葉にならない「想い」までも
「家」にする
千葉・柏の住宅設計事務所 古里設計
(建築家 古里正)
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