#024 「神は細部に宿る」

2011.01.26

「#021 五十の手習い」でお伝えしたデッサンですが、昨秋バイオリンを描く機会を与えて頂きました。改めてまじまじと眺めると、真ん中のくびれた箇所の円弧が切り替わる尖った部分に初めて気付きました。このバイオリンの円弧の扱いは下図のように円弧を短い円弧で切り替えるバロック建築特有の手法と同じです。バイオリンという楽器はバロック時代に現在の形で完成されたと思われます。このように、モノの形の一部から全体を判断できてしまうことがたまにあります。

「神は細部に宿る」という言葉があります。これは近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエの言葉であるともされますが、「全体から細部に至るまでしっかりと考え抜けば、良いモノができる・・・」と私は解釈しています。この言葉は紛れもない真実で、しっかりした細部デザインは空間の質を確実に向上させます。しかし、建築の細部は緻密であれば良いという訳ではありません。コンセプトの表現として建築全体があるように、細部もまた空間と響き合ってコンセプトを表現するものです。コンセプトに合わない細部はいくら緻密だったとしても、空間と響き合うことはありません。

私は「まち」と響き合う建築、建築の内と外、建築の内と響き合う細部や家具がハーモニーのように感じるような、そんな「建築」を夢見ています。

バロック建築の巨匠ボッロミーニ設計のサン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターレの頂部。

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(建築家 古里正)
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