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#093 アイディアスケッチについて

2020.10.15

原研哉氏:社会の未来構想を表した「ポンチ絵」

今春、21_21 DESIGN SIGHT(アートではなくデザイン専門の美術館です)で「マル秘展 めったに見られないデザイナー達の原画」を観てまいりました。多くのジャンルにまたがるデザイナー達のアイデアスケッチが展示されていました。

 

原研哉氏:家の収納扉を外壁側にもをつけて、物流に即対応する。とても便利な生活になります。

一般的に、スケッチや図面等は概ね下記の四種に分類されます。

①自身で描いて自身の考えをまとめるもの。(つまり他人が見てもよくわからない)

②考えを人に伝えるもの。

③基本設計(どのようなものが出来あがるか(完成形)を人に示す)

④実施設計(どのように作るかを作る人(例えば職人さん)に示す)

今回の展示は②の内容がメインのようで、ジャンルとしては工業デザインやプロジェクトデザインが多かったようです。「言葉」に比べ、アイデアスケッチにするとなぜか微笑ましく、親しみを感じて、腑に落ちてしまいます。

鈴木康広氏:特定のプロジェクトのためではなく、日常の生活で思いついたアイディアが描かれています。

特に鈴木康弘氏の展示ブースには、氏の学生時代からのスケッチが描かれた無罫線の大学ノートが数十冊並べられていて、自身のアイデアを大切にする気持ちが強く伝わってきました。(私もつい、同じ大学ノートを注文してしまいました。)

私の場合はプロジェクトによってエスキース過程がまちまちです。例えば、プロジェクトの与条件が当初から固まっている場合は敷地図から直にゾーニングを始めて、コンセプトを手で考えることもあります。また、クライアントからのヒアリング内容をカードにまとめてコンセプトを探るときもあります。コンピューターで図面を描く時代になっても、コンセプトから最終的な「かたち」になるまでは、手書きのスケッチがなくなることは決してありません。

鈴木康広氏:描きためられたスケッチと大学ノート。サインペンは私も以前から同じものを使っています。

言葉にならない「想い」までも
「家」にする

千葉・柏の住宅設計事務所 古里設計
(建築家 古里正)
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