#065 「くまのもの・・・展」を観て
2018.04.15
#000「建築について」でお伝えしましたが、「建築」とは本来、「形あるものを創る術」のことを意味します。 その「創る術」とは材料や工法を考えたり、設計したりすることです。
しかしながら現代社会において、一人の建築家が新たな材料や工法を開発することはほぼありません。 現代は大手メーカーやスーパーゼネコンの研究所などがそれらを開発します。 多くの建築家は原則的には既存の工法に則って設計します。 例えば、木造ならば「軸組工法」「ツーバイフォー(2×4)工法」などがありますが、それ以外の独自の工法を開発するのはとてつもない労力を必要とします。 結果的には建築家たちは狭い範疇で建築の機能性や美しさを検討することとなります。
先日、「東京ステーションギャラリー」で「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」展を観て参りました。 隈研吾氏の作品はそれ以前の建築の「美しさ」とはまた別の美意識を持っていて、私は少し距離感を持っていました。 今回の展示はそのタイトル通り、各材料を検討し、それぞれに新たな工法・形態を創り出しています。 例えば、竹・木・紙・土・石・火(瓦・ガラス・樹脂)・金属・膜/繊維・・・と各テーマ毎に今までにない新たな工法や形態を開発しています。
これこそが「建築」である・・・と言うことでしょうか。 「建築」の歴史は人類の歴史と同じだけの長さを持っていますが、まさに原点回帰と言うべきでしょう。 材料を考え、新たな工法を編み出し、建築に新たな形態と可能性を与えています。
言葉にならない「想い」までも
「家」にする
千葉・柏の住宅設計事務所 古里設計
(建築家 古里正)
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