#018 少年の夢と大人の現実

2008.05.10

 

高校の頃の私は自転車での日本一周とか世界一周に憧れていました。北海道の野付半島にて。

最近また、自転車に乗る機会が増えています。紛れもなく、運動不足解消のためです。私は子供の頃から自転車に乗るのが好きでした。高校の頃には、自転車での日本一周とか世界一周をただ漠然と夢見るようになっていました。その後、学生になってから何気なく自転車雑誌に目を通すと、そこに驚くべき記事が載っていました。なんと!16歳の少年が新聞配達で貯めた資金をもとに、自転車で世界一周の旅に出発するという。計画書を親に提出して説得し、文字通り自力による世界一周です。

それから7・8年経った頃でしょうか、私が渋谷の街を歩いていると、彼の名前が大きく記されたポスターが突然目に飛び込んできました。どうやら彼は劇団を主宰し、演劇の世界で活躍しているらしく、私としてもとても嬉しく感じました。その後の彼は演劇賞なども受賞し、海外でも活躍しています。TVのコメンテーターや新聞のコラムにも登場しているのでご存知の方も多いと思いますが、 平田オリザさんです。お名前がとても珍しいこともあり記憶に強く留まっていましたが、彼のような人を本当の天才と呼ぶのでしょう。とても難しいそれぞれの事柄を2度も実現させています。

少年の頃の私の夢は、北海道を半分廻った程で現在に至ります。また、学生になってからの夢は「自分が感銘を受けたような建築を自分の手でも創ってみたい!!」というものですが、その夢が叶ったのか否か私にも判りません。でも、今もその夢を見続けていることだけは確かです。

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(建築家 古里正)
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