#116 志向性について

2022.03.20

第34回千葉県建築学生賞 優秀賞 「谷に繰り出す」

先週末に毎年恒例の「千葉県建築学生賞」が開催されました。34回を数える今年はコロナの影響も幾分弱まり、3年振りに公開審査となりました。

上掲写真は私が今年の出展作品中、最も優れていると思った「谷に繰り出す」です。渋谷の地形はその名が示す通り「谷」なのですが、再開発でその街の特長が希薄になってしまっているため、もう一度「谷」の形を強調して、更に発展させようと言う計画です。地下深くから超高層ビルに至るまで、「谷」を示す形になっています。因みに、今年のベスト3に入る「優秀賞」となりました。

下掲写真はもう一つの優秀賞作品「石積みの道標」です。旧東海道沿いの小さな集落に昔からある石垣に沿って計画された、登山者などを対象とした施設です。石垣に沿って建物のヴォリュームが丁寧に配置されています。

私はこの審査員を数年間担当していたのですが、私がイチオシだった作品が大ハズレだったことはないのですが、最優秀賞だったこともなく、概ね優秀賞でした。例えば、上記2つの作品を比べると、「石積みの道標」が遙かにリアリティーがあります。それに対し「谷に繰り出す」はよく言えば力強い、悪く言えば暴力的な部分があります。「石積みの道標」を支持する方々が多いのですが、私は理念に対し力強く訴える作品に魅力を感じます。

私は現実を踏まえた上で、社会に対し強く訴える力のある作品を創りたいと思っています。

第34回 千葉県建築学生賞 最優秀賞「石積みの道標」

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(建築家 古里正)
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