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#107 施設管理担当スタッフのぼやきを聞きました

2021.08.07

数年前のこと、とある市庁舎を見学に行きました。有名建築家の案がコンペで選ばれ、実現しました。竣工と前後して、その建築家が国家的なコンペを射止め、この市庁舎も一層注目を集めました。連日、多くの見学者が殺到したそうです。私が見学に行ったのは、それから少し経ってからですが、美術館で使うような「音声ガイド」が用意されていました。建物を観に行って、音声ガイドが用意されていたのは私にとっても初めての経験でした。訊けば、余りにも多くの見学者が殺到し、施設管理担当スタッフが仕事にならないため、音声ガイドを用意した・・・とのことでした。

建物を見て廻ってから音声ガイドを返却したとき、施設管理担当スタッフの市庁舎に対するお話しを伺うことが出来ました。

彼曰く・・・数十年に一度の大雨で雨漏りがひどかった、内樋にせず、普通の軒樋だったら、雨漏りはしなかったはず・・・吹き抜けのために、夏暑く、冬寒い・・・軒下などに鳥除けの針がたくさん付けているのは情けない・・・などなど

私は咄嗟に・・・例えば、凄い美人の女の子と食事に行ったら、彼女がぼろぼろメシをこぼす、「この女､何やってんだ！」と腹が立つよね。でも、少し冷静に考えてみると、自分だってメシをこぼすことはある。また、仲間内みんなで食事をしていて、一人がメシをこぼしても「おやぁ～？」とは思うが、そこまで腹は立たないよね。つまり、腹が立つのは美人だからだョ！・・・

それを聞いて、彼の目は点になってました。

私自身、なぜ咄嗟に美人の話が口をついたのか分かりませんが、「優れた建築」「美しい建築」と言っても、日常会話ではなかなか伝わらないので、「美人」を引き合いにだすことはたまにあります。すごい美人であっても一般人と同様にメシをこぼすことは普通にあります。皆様お含み置き下さいませ。