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公共施設の耐震補強・大規模改修について

  私は阪神淡路大震災を西宮で体験しました。多くの犠牲者が出た中で、運良く新しいマンションに住んでいて命が助かりました。 古里設計は「心地よい環境」を目指し設計活動を行っていますが、その心地よさには「安心できる環境」も含まれています。ここでは公共施設の耐震補強内容について具体的にお伝えします。



  耐震補強設計の前にまず耐震診断を行います。
  耐震診断は建物の現状調査から始まります。具体的には建物が実際に設計図通り出来上がっているかを確認した上、コンクリートや鉄骨などの劣化状況や構造体のひび割れ・不等沈下などの異常を調べます。その後、特別な構造計算を行い、耐震性能が所定の数値が下回っていれば耐震補強が必要とされます。

  耐震補強は耐震診断の結果を踏まえ、耐震性能を向上させるよう設計します。
 学校のRC校舎の場合は耐震ブレース・耐震壁・耐震スリット・柱部分の鋼板巻きなどを取付けるのが主な内容です。メインとなる耐震ブレースには複数の種類がありますが、耐震性能・建物の機能・コスト・工期・施工性等を総合的に検討し、ブレースの種類・取付位置等を決定します。
  酒井根西小学校・流山小学校・富勢中学校・光ヶ丘小学校では枠付鉄骨ブレースを取り付けました。最も一般的な工法で信頼性も高いのですが、室内が狭くなり、採光・眺望などに関し居住性が低下する欠点があります。また、柏第三中学校では、Pcaブレースを校舎南側に取り付けました。Pcaブレースは外付け工法の一つで、居住性が高いメリットがあります。鉄骨造の屋内運動場の場合は壁面・屋根面ブレースの増設、接合部材の付加などが主な内容です。学校施設の耐震補強の場合は文部科学省の補助金の関係で公的機関の判定を必要とします。
  病院の場合は学校と異なり、病院の機能を維持したままで工事う場合が多いため、短工期・低騒音・低振動の工法がしばしば選択されます。茨城東病院の場合は外付鉄骨ブレースを用いました。
  どの施設も、現在の建築基準法では不適格な構造のため補強を必要としました。

  また、耐震補強工事と同時に建物の改修を行う場合が、一般的には大規模改修工事と呼ばれます。外壁・屋上防水・トイレ改修などの内容が付加されます。学校の大規模改修工事の場合は、夏休みとその前後の期間で工事が行われますが、工期的には少々無理があり、どうしても施工精度が下がる傾向が見受けられます。



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