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「居心地のいい場所」
2001.08.10
text & illustrated by Hiromi Narumi
袋小路の夕暮れ

 夏の夕暮れは遅い。母親が夕食の仕度に追われる頃、子供たちは、もうひと遊びと 外へ飛び出す。散歩帰りの老人が立ち寄る。路地奥の一本の高木とベンチが、何の変哲もない袋小路に ポケットパークのような楽しさと安らぎを創ってくれる。



おばあちゃんの原宿---巣鴨地蔵通り商店街

この街はお年寄りばかりが歩いている。商品がこぼれ落ちそうなワゴンは歩道を占領し、人は車道まで 広がって歩いている。車は人の間を縫うようにのろのろ進み、自転車は店先にもお構いなしで置かれて いる。雑然とした何処にでもありそうなこの通りが、なぜこんなにお年寄りを引きつけるのだろう・・・。


 この商店街を歩いてみるとたくさんのベンチを見かける。鰻屋の前の路上には買い物を終えた老人が 腰を下ろし、通りのはずれにある畳店の店先には緋毛氈(ひもうせん)の敷かれた縁台が置かれている。 ベンチの扱い一つにも「店が狭ければ路上に出し、夜になれば片付けたらいい!」そんな前向 きな配慮が感じられる。
 どの街でも公共の場からゴミ箱やベンチが姿を消してゆくなかで、巣鴨地蔵通り商店街にある温かい意志が、 何処にでもある雑然とした街を「おばあちゃんの原宿」にしている。





鳴海 博美 Hiromi Narumi
建築家 / 一級建築士 / 取締役
1954

函館生まれ

1972-1974

東海大学工芸短期大学建築コース

1974東海大学総長賞受賞
1974-1976

潟Aキラ建築設計事務所

1976-1980

半田機械器具轄H事部住宅設備課

1981-1982

潟eーオーハウス設計部

1984-1985

褐v画技術研究所

1997

旧テ里設計一級建築士事務所設立に参加



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