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   映画「MY ARCHITECT」
2006.03.03
text by T.Furusato


  先日、映画「MY ARCHITECT」を観てきました。

  世界的に有名な建築家ルイス・カーンの息子ナサニエル・カーンが撮ったドキュメンタリー映画です。ルイス・カーンは1974年にバングラディッシュ旅行の帰途、ペンシルヴェニア駅のトイレで心臓発作で倒れ、遺体は身元不明のまま死体安置所に数日間放置されました。ナサニエルはルイスの二人目の愛人の子で、そのとき11歳でした。ナサニエルは父を知る人々や父の作品を訪ねながら、父親の実像を求める・・・といったストーリーです。映画の最後に、遺作となったバングラディッシュ国会議事堂で、ナサニエルは地元の建築家から「ルイスはこの建物で国民に民主主義を教えてくれた。最貧国にルイスの最大の建物ができた、命を代償にして・・・」とコメントされます。

  私が建築を学び始めた時は彼が亡くなって5年程たっていましたが、その影響力は大きなものがあり、私もまた彼の作品に魅せられた一人でした。ある日本の建築家の「建築家たるもの、カーンのように壮絶に生きなければならない!!」というコメントに接し、「建築の設計を志すとは、それだけの覚悟が必要なのか!!」と学生だった私は少なからず動揺しました。

  今の私に「それだけの覚悟」があるかどうかは自分でも分かりません。「完璧な人間がいないように、完璧な建築などあり得ない」と感じつつ、それでも自分の信じるかたちを模索し続けたいと思っています。




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